感慨に耽るDAY。

haradayu2004-11-14

今日は過去にお世話になり演劇のいろはを教えていただいた、衝突安全ボディー『スピードボール』を観ました。ウエストエンドだっけ、あの劇場。劇場に向かう途中、同級生で今度聖地で作・演出をするAゆみんと偶然出会い、一緒に観劇しました。
作品の内容はどさ回りをして生計を成り立てているであろう、オムニバスコントっていうんですか(吉本興業みたいな感じかしら)、そういうので興行している花鳥一座という劇団のお話です。興行を終えバスに乗り込む劇団員、そこへ、バスジャックだっーと二人組の青年が乗り込んでくる。それを契機に(いやいや、そんなことなかったけど)それぞれが持っている悩みが噴出し……。
物語は冗長ではあったけれど、その長ったらしさが妙に雰囲気を醸し出していました。未練とか葛藤とかがこういうお話だと主になりがちですが、この『スピードボール』はほとんど既に進退を決定した人々のストーリーで、「みんなでやっていこうよ、もう一度」ってな人がいなくて、別れが潔い感じでした。
超勝手な解釈ですが、一座を乗せて走るバスの時速は30㎞だったと思います、多分。バスのスピードが時速30kmだと劇団員が気づいたのはいつでしょうか。時速30kmの風景はどんなものなのでしょうか。時速30kmの中で劇団員はどんな葛藤をしていたのでしょうか。時速30kmの風景、時速30kmの葛藤、時速30kmの孤独……振り返ればそんなことが気になりますです。そんなことを思わせてくれる舞台でありました☆☆☆☆ そしてこの先、衝突の人々と対等に会話ができるように精進しなければいかんと思いました。同じ漢字の名前のHの着物姿がキレイだっだけど、なぜかそれを認めるのが悔しくて、終演後会ってもキレイだったとは言わなかった。
『速度が問題なのだ。人生の絶対量は、はじめから決まっているという気がする。細く長くか太く短くか、いずれにしても使いきってしまえば死ぬよりほかにない。どのくらいのはやさで生きるか?』
鈴木いづみ鈴木いづみコレクション5−いつだってティータイム−』文遊社)
風邪には気をつけて。