速度が問題なのだ。by鈴木いづみ

鈴木いづみコレクション5

昨日は追い込まれているのにもかかわらず芝居とダンスを観てきてしまった。
お芝居の方は一度共演した“表現系ゲイ”を自称するIさんが出演する舞台。フライングステージというその劇団は主宰含め出演者のほとんどがゲイであると思われ、それを隠さずもう27回もの公演をしてきたみたいです。もちろん、お客さんの3分の2位も“ノンケ”ではない人々だったような気がしやす。それで、作品はというと出会い系サイトを運営する小さな会社の話でした。その会社は出会い系サイトにアクセスしてくる男どもに対して女性やゲイのアルバイトの人達が出会いを求める女を装い、メールのやりとりをし、何度もアクセスさせることでアクセス料(ちょっと忘れた)を稼ぐということをしています。そこへ、実はこの出会い系サイトにアクセスしていたことのある元中学教師が面接を受けに来て……。
出会い系であるからなんか裏社会的なものが噴出するのかと思いきや、これといって悪い人は出て来なく、ゲイの人々を中心に恋愛や仕事などで悩む姿を描いたとても誠実な舞台でした。そこにはゲイであるがゆえに受け入れることができる臭さがあったのかもしれませんが、面白かったです。作・演出の方はゲイの人で社長のママさんとして出演されていましたが、カーテンコールまで僕は本物のおばちゃんだと思っていました。
Iさんの出会いのきっかけとなった舞台の主宰者のSさん夫妻も来ていて、近いうちに飲みましょうと話し、新宿を出た。
次は、神楽坂のセッションハウスでAPEメンバーのВАСИ舞踊団が参加した「21フェス」を観ダンス。8組のダンスカンパニーが10分ずつダンスを披露。でまあ、色々なダンスがあるわけだけれども、面白い面白くないは抜きにして、コンセンプトというかどんな考えからそういう表現が生まれたのか読みとってやるぜぃと観ていたが、僕の力不足のせいかどのダンスからも読みとることができなかった。つまり、言葉で、このダンスは○○が根本にあって□□な表現になったみたいなことを捉えてみたかったけれど無理でした。ギャンバリます。
でまあ、ВАСИ舞踊団の『モモコとすじお』の感想なんですけど、初演とか観ていたせいか、やはりインパクトは薄れていた感があったのだけれども、初演から気になっていたのは前半部分の二人の距離の近さでありました。あの近さは舞台にある距離についての暗黙のルールを破っている近さなのだと感じました。それはというと、あの近さ(ほぼ隣接)の場合、お互いが何らかの形でお互いを意識しているフリなりが行われるのが普通の舞台なのですが、ВАСИ舞踊団の場合はですね、RとMっちゃんはすごい近くにいてMっちゃんのチョイ斜め前にRが位置している。RがMっちゃんの方にカラダを向け、顔を両手で伏せて両腿(モモコのモモは腿のモモ?)でパンパン音を鳴らしている。Mっちゃんはマッスルポーズを客席に向けてやっている。そのフリと二人のその位置の置き様が見ていて、すごい不自然ですごい違和感で、とても良い意味で「なんじゃこりゃ」と感じずにはいられませんでした。おそらく意識的に空間と位置みたいなことはやっているのじゃなかろうか。2回目の蟹みたいなYMCAも変な所でやっていたし。最後の国歌については、観に来ていたAPEメンバーと飲み屋で話して、自身の知識不足が分かったし、ネット上なので下手なことは書けないし、下手なことしか書けないのでので書きません(それはなぜか!?)。ただ怖いのはやっぱり暴力なのねと感じていますです。
過去の日記にも書いた同じ入間市出身のシンガーソングライター・Kのweb日記を見て、吹き出してしまった。それは一言こう記してありました。
『きのう職安に行きました』
いや〜、いつか一緒に何かやりたいですね〜。