涙を流すのです。

永井愛の『こんにちは、母さん』を読みました。「こんにちは、母さん」は舞台で二回観て二回とも号泣しながら大笑いし、大笑いしながら号泣したのでありました。そして、今さらながらこの戯曲を読んでみたのでした。泣きました。涙を流しました。
泣いたところは舞台と同じ場面で、加藤治子が演じた母親・福江が平田満演じた息子・昭夫の告白に人生を省みるシーン。(幼い頃、ビートルズの肖像をトイレの壁に書いた昭夫を福江は褒めました。でも、父親がそれを発見し憤ると福江は「お父さんにあやまなりさい」と昭夫に言うのでした。昭夫は家出しました。父親に殴られたのが原因だったのではなく、母親・福江が褒めてくれた絵を父親の前では褒めてくれず、逆に謝りなさいと言ったことが家出の原因だったのでした。そのことを何十年も経った現在に昭夫はつい話の流れから告白してしまうのです。それを知り、認める福江……)

いやいや、傑作です、まさに。

またまた、ところで『誰も知らない』を観て以来、是枝監督に興味を持ちまして、『幻の光』『DISTANCE』を観ました。
幻の光』は台詞少なかったな〜。ちょと寝てしもうた割にはキーになる台詞には感動したっけ。
『DISTANCE』はドキュメンタリーっていうのかな、ああいう撮り方。音楽も一切使われていなかったし。でも、僕はとってもドラマティックな作品だと感じました。

それにしても、『こんにちは、母さん』『幻の光』『DISTANCE』に共通して、家族がモチーフになっていたな〜。