くっ。

劇作講座の講師でもあり(僕は指導されたことないけど)、今、若手の実力派としてとても注目されている小里清さんが主宰するフラジャイルの『塔』を観劇。アゴラ劇場にて。
9・11の事件を題材にした作品で、舞台は超高層ビルの最上階にあるエレベーター制御室。国は特定されておらず、創作された国でのお話。気球に乗っていた少女がその超高層ビルにぶつかってしまい、気球の綱などがかろうじて引っ掛かり危うく落ちそうになっていたところを、管理人を名のる男に助けられる場面から物語は始まりました。エレベータを止めてしまったのだと言う管理人。そこへ、整備員や警備員、そして、管理人として雇われたという夫婦が訪れ、少女一人を除き、彼らは同じ国の出身者であることが分かり・・・・・・。
およそ2時間、すげーオモシロかったです。ただ気になったのは、登場人物が発話しているとはいえ、作家の言葉と受け取れる台詞がかなりあったことですかね。というかね、使われている言葉自体が古典の小説的で、例えば「人非人」とかそんな言葉が噴出でした。まあ、それはそれとして、作家の言葉は作家の主張、言葉が登場人物を越えてしまっているという事態が起こってました。服に着せられちゃっているというか。だもんで、登場人物の個性が作家の言葉にからめとられていたように思えました。
でもでも、骨太でした。うぉーって思いました。