思い出し、書く。

で、先日読んだ町田康『告白』の感想をなんとなく書きます。言葉がおもしろすぎて、後半300ページは3時間で一気に読めました。物語の根底にあり、むしろそれを中心に展開され、読む僕が緊張してしまうのが銭のからむ場面(ほとんどといってもいいのではなかろうか)で、主人公の行為行動にドキドキさせられる。お金のもつ緊張感ってすごい。怖い。怖いぜ怖いぜ。それにしても、登場人物に涙を流されると僕は弱い。吉田修一『パレード』で自分でもわけも分からず食卓で泣いてしまっている大学生、長嶋有『猛スピードで母は』で「なんで泣いてるの?」と友達に尋ねられる少年、この『告白』でも主人公から涙がでる場面では僕も涙を流したわけです。泣く。ラスコーリニコフは涙を流していましたか?はい、どっと涙を流していました。覚えてなかったな〜今読み返しました。言葉がどうしても取り逃してしまうものがどうやらあるようです。ことばとからだ。あーあーあー。文士よ。鈴江俊郎さんの戯曲が読みたくなって数日が過ぎていっています。