今日は長いよ文章。

綿矢りさ『夢を与える』(河出書房新社)を読み終えた。おもしろかったです。生まれてからの坂道を猛スピードで駆け下り、止まろうとするものの惰性と坂道のせいで変わらず疾走し続け、そして転倒、果てには主語が零れ落ちていく……そんな感じの小説でした。速度の小説。そう、どのくらいのはやさで生きるか。駆け抜けるスピードがあまりに速いものですから、最初は表層しか語られていないんじゃないかと訝ったのですが、時々垣間見える深層があって、でも坂道な小説ですからそこで留らずに表層を駆け抜けていってました。真情あふるる軽薄さ、清水邦夫さんの戯曲の題名が浮かんできました、あでも、ちょいと違うか。
気になっていた戯曲、宮本研『美しきものの伝説』も読んでみた。期待は大きかっただけに物足りない感じがしてしまった。偉そうに書けば、身体が見えてこなかった、ほんとに偉そうだ、どうしよう、ごめんなさい。書かれた年代が60年代ですから(戯曲は大正時代に焦点)、社会主義とかそういうことを扱っていましたやはり。以前僕もその辺には興味があって、なんとなく調べてはいたもののいつの間にか薄れていってしまったのはなぜだろう。
さてさて、お知らせです。お薦めです。ニブロールさんの振付・演出家の矢内原さんと映像作家の高橋さんが組むユニット・Off Nibrollの公演があります。きっともの凄いおもしろいので、行った方がいいと思いますよ。

Off Nibroll『public=un+public vol.2 in Asia』

2005年5月にオーストリラリアの振付家や音楽家などを招いて1929ホールで開催されたOff Nibroll『public=un+public』。この度、シリーズ第2弾として、元港湾倉庫のBankART Studio NYKのNYKホールを舞台に展開します。スペースの違いから生まれる身体的な差異を映像と身体というメディアを通して個人の存在を考えていこうという試みです。今回は北京、台北から新進気鋭の3組のアーティストを招き、映像インスタレーションとパフォーマンスを行います。日本にて公開後、台湾・北京 にて公演・展示を予定しています。みなさま、どうぞお誘い合わせの上ご来場ください。

《パフォーマンス》
会場:BankART Studio NYK1F/NYKホール 
演出・振付・脚本:矢内原美邦/Fu-Chin Chang
出演:山本圭祐/KENTARO!!/矢内原美邦/Fu-Chin Chang他
日時:2007年3月
   21日(水・祝)19:30
   24日(土)19:30
   25日(日)18:00
   30日(金)19:30
   31日(土)19:30
料金:各回2,000円  ※全席自由 
   予約扱いは各公演前日まで。受付開始は開演の30分前から。

*オープニングパーティー 21日(水・祝)終演後。
チケットお持ちの方は、どなたでもご参加いただけます。

《展覧会》
off nibroll、8gg、Jiun-Ting Linによる映像インスタレーション
日時:2007年3月21日(水・祝)- 31日(土) 11:30-19:00
*公演の都合により、初日21日は公演終了後より、
25日(日)は17:30よりクローズさせていただきます。
会場:BankART Studio NYK1F/NYKホール 
料金:無料

予約・問合せ:BankART1929 
info@bankart1929.com  tel:045-663-2812

主催/企画:off nibroll 共催:BankART1929
助成:財団法人セゾン文化財
横浜市創造的芸術文化支援活動