見切り発車November。

金を誰からも借りることができず、遂には姉の古くの友人、今や女中に成り下がったらしい女性(実は惚れていた)から大金を借り、しかし、その札のくしゃくしゃ具合にどうにもこれは使えないと、やはり返すことにした作家がこう言ったのだ。

「萱野さん、かぞえて下さい。きちんとして置こうよ。気まずさも、一時の気まずさも、生きて行くために、どうしても必要なことなのだから。」(太宰治『二十世紀旗手』新潮文庫

僕はこういう言葉の使い方に弱いらしい。
太宰治の小説(短編がいくつか入っております)を読んでいますが、"言葉の洪水"とはこういうことだと感じずにはいられません(上記の文章だけでなく、小説全体を通してのことです)。
さあて、12月。新しいことにチャレンジするのです。地味に続けて、生きていく副業になりますように、祈る。